昭和の陛下のお話
昭和の陛下のお話。
御巣鷹山に日航機が墜落した大事件のあと、
ようやく後始末が済んだ頃に天皇皇后両陛下が、
事故の後始末のために働いた関係者のみなさんをねぎらうために、
上野村までお越しになったそうな。
「大変でしたね。ご苦労様でした」。そうあちこち慰問して回られたとか。
実は上野村の村長さんは、海軍飛行隊の生き残りで、
南洋で零戦隊を率いたことがある方。
戦争中、大演習の視察に訪れた陛下をたくさんの新米士官の中のひとりとして、
敬礼してお迎えして以来の対面だったけど、まさか、
陛下はそんな昔のこと覚えてらっしゃらないだろうし……と、
そのことにはふれずに、事故の経緯の説明とご挨拶だけしていたら、
陛下はじっと村長さんの顔をご覧になって、
「ひょっとしてあなたは、○○年の海軍大演習のとき、
戦艦霧島の艦橋にいなかったかね?」と。
数十年前に、ちらりと顔を合わせただけの、
数十人の新米士官のなかのひとりの顔を、
きちんと覚えていてくださった……村長さんは感激で、
胸がいっぱいになってしまったそうな。
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おいらも言われたい。
「ひょっとして君は、真駒内のシャケ科学館にいなかったかね?」